【メンバーブログvol.16:伊藤由加】ある日、森の中
心理テストです。
「深い森の一本道を歩いていたら、大きな熊が現れて道を塞ぎました。あなたはどうしますか?」
引き返す?死んだふりをする?戦う?
私はこう言いました。
「熊のお腹に小さな扉があって、そこを開けると鍵が出てくる。その鍵を使うと熊と仲良くなって仲間になるから大丈夫。」
自分で言っておきながら、私も含めて場が凍る。もちろん、友人はぽかん。どうやら回答を間違えたらしい…
このテストは「自分がピンチのときに取る行動」だそう。ただ、妙に腑に落ちました。
私は逃げるより近づくタイプだそう。確かに。怖い人や苦手な人ほど、なぜか距離を取らずに真正面から向かいたくなる。博愛主義者?猪年だから?
先のブログで書いたように、虎ノ門でグループ秘書をしていた頃、厳しいと有名な役員がいました。雷が室内に落ちたらこんな感じ、という風です。私は、その役員からの内線が鳴れば私が出ますし、お茶も率先してお持ちするようにしていました。あちらもなぜ私ばかり対応するのかと思っていたかもしれません。
一方、私はといえば「怖いし嫌だから真っ正面から私の全てと全体重でもってぶつかってやる。それでダメならしょうがない」そんな感覚で、ただただ必死。それだけでした。きっと真正面からぶつかっていくその姿は勇者でもあり、不様でもあったことでしょう笑
やがて、その役員は私に対してぽつりぽつりと仕事の姿勢や考え方を教えてくださるようになりました。なんという副産物か。こんな上位の方が一介のペーペーに、仕事のノウハウなどを教えてくれるようになりました。ただ、言葉数が少ない方でしたし、もちろん、もう絶対に怒られたくはなかったので、「どういう意図か」「次は何を求めているのか」と神経ピリピリで対応していました。そうして背景や意図を想像しているうちに、秘書に必要なそれらの能力がいつの間にか癖になっていました。
あれから約10年。誰彼構わず、すぐにお腹の扉を開けることはしなくなりました。
良いのか悪いのか、擦れたのか熟成されたのか。
仲良くなる熊かどうかを、少しは嗅ぎ分けられるようになったかもしれません。
伊藤 由加


