【メンバーブログvol.78:齋藤剛弘】一日の終わりに、ペンを取る ——「言語化」という、もう一つの日課
前回は、娘との毎朝の漢字・ピアノに向かう日課のお話をしました。
今回は「夜の部」の日課について。
実は私、毎日1日の終わりに日記を書いています。 始めたのは、娘との朝の日課と同じく、4月の新年度のタイミングから。
きっかけは、ある経営者の言葉
直接のきっかけは、4年間にわたって毎日日記を書き続けている、ある経営者の方との出会いでした。
話の節々に、長年の言語化の積み重ねから出てくる深みと洞察。
私は単純に感動し、これこそ「自分にこそ必要な習慣だ」と感じました。
「言葉にできるか」が、すべてを左右する
経営者の皆さまと面談を重ねるなかで、私が痛感していることがあります。
それは、「自社のことを言葉にできるかどうか」が、結果を大きく左右するということです。
M&Aや事業承継の場面では、自社の強みと課題を整理して言葉にできるか。
採用の場面では、自社のPRポイントや、求職者との接点を言葉にできるか。
これらが言葉になっている会社と、なっていない会社では、相手に届くものがまるで違ってきます。
経営者の皆さまは、ご自身の会社のことを「分かって」いらっしゃいます。しかし、「分かっている」ことと、「言葉にできる」ことは、まったく別物です。
言葉にならないまま胸の内に置かれている強みは、いざというときに買い手候補にも、求職者にも、後継者候補にも届きません。
だから、自分自身が言語化を続ける
経営者に「言葉にしましょう」とお願いする立場の自分が、言葉にする習慣を持っていなくていいはずがない。
そう思って、ペンを取り始めました。 自分の強みも、学びも、日々の気づきも、まずは自分自身が言葉にしていく。
その筋肉なくして、お客さまの言語化を支えることはできないと感じたからです。
感情も、書き出す
日記には、その日の出来事や気づきだけでなく、自分の感情も書き留めます。
感情は、仕事の進捗に想像以上に影響します。
胸の内に置いたまま翌日に臨むと、判断が鈍る。けれど書き出すと、感情は「自分の中」から「紙の上」に移ります。距離が取れれば、客観視できる。
翌朝はニュートラルな自分で仕事に向かえる。
感情を排除するのではなく、言葉にして、いったん預ける。そんな感覚です。
続けた人にしか見えない景色を
きっかけをくださった経営者の方は、4年分の日記をお持ちです。 私はまだ1ヵ月。
4年後の景色は、今は想像もつきません。
けれど一つだけ確かなのは、書き続けた人にしか見えない景色があるということ。
これは、娘とのピアノの日課で伝えたいことと、まったく同じです。
朝は娘と漢字・ピアノを。 夜は自分とペンとノートを。
地味な積み重ねですが、これこそが、経営者の皆さまの「言葉にならない価値」を、いつか言葉にしてさしあげるための、確かな準備だと信じています。
今夜も私は、ペンを取ります。
齋藤 剛弘

